MURRAL × STUDIOUS
“繊細さと日常”をつなぐ、新しいレイヤードのかたち

ブランドの新たな一面を引き出したSTUDIOUSとの別注コラボレーションの裏側を、
MURRALデザイナー村松祐輔さんに
制作のきっかけや試行錯誤、デザインに込めた想いまで、たっぷりと語っていただきました。

いつものMURRALとは一味違う、けれど確かにらしさが息づく特別な一着。
その誕生ストーリーを、ぜひお楽しみください。

別注実現の背景とストーリーを教えてください
MURRALとSTUDIOUSがコラボレーションをするのは、自然な流れのようでいて、特別なタイミングが重なったからこそ実現したプロジェクトだと思っています。

もともとSTUDIOUSさんとは長いお付き合いがあって、いつか一緒に別注やれたらいいねという話は前々からしていたんです。
そんな中で、カジュアルなアイテムにMURRALらしさを落とし込みたいという思いが芽生えて。
ちょうどそのタイミングでSTUDIOUSさんからコラボのお声がけをいただいたので、“今だ”と思いました。

普段は刺しゅうやチュールといった繊細な要素をクラシカルなドレス等に落とし込むのですが、
もっと日常に寄り添う形でMURRALの世界観を届けたいという想いを形にしたのが今回の別注アイテムです。
カーディガンとチュールトップスの2型をご用意しました。
通常ラインとの違いはどこですか?
今回のアイテムは、MURRALの通常ラインではあまり見られない「Tシャツ」と「カーディガン」というアイテム構成。
そして、そこにMURRALらしい刺繍チュールをドッキングしたことで、まったく新しい魅力が生まれたと思ってます。

MURRALでは普段、カジュアルなTシャツってほとんど作らないんです。
でも、もしやるなら、ブランドらしさをどう残すかが課題でした。
そこで、刺繍チュールとカジュアルなカットソーをドッキングしたデザインにするとMURRALらしさを残せて、かつ新しいお客様の層にも届けられると確信しました。

また、このエッセンスでデザインしてきたことがなかったので、新鮮な印象に仕上がりましたね。


カラー展開は潔く「ブラック」と「ホワイト」の2色のみ。

普段はニュアンスカラーで作ることが多いんですが、今回はあえてストイックにモノトーンにしました。
カジュアルやオケージョン等、着る用途がはっきりしているのもポイントが高いと思います。
どんな人に着てほしいですか?
このアイテムは、カジュアルすぎず、でも気負わず着られる。
そんな絶妙な立ち位置だからこそ、さまざまな世代やライフスタイルの方にフィットすると思っています。


それぞれのスタイリングのポイントを教えてください
カーディガン
冷房対策やボディケアにも便利な軽やかさで羽織としても使えますし、前を閉めてトップスインしても素敵。

ノースリーブのワンピースに羽織ると、チュールがアクセントになり上品なレイヤードに。
またボタンを数個だけ留めて裾を開けると抜け感が生まれて、サイドのドローストリングで広がりを加えるとウエストラインが際立ち、美しいシルエットに仕上がります。
袖はあえて長めに作っていて透け感もきちんとあるので、インナーを挟んだ時もバランスが取れる様にデザインしています。
Tシャツ
インナーとチュールのサイズ感を変えているので、ボトムスにインする場合だとカットソーだけインしてチュールは外に出すのが綺麗。

そうすることで、ウエストもマーク出来るし素材の立体感も、より感じていただけると思います。
黒のチュールの質感を際立たせたい場合はアイボリー等のボトムスがお勧め。
ボリュームのあるスカートだとドローストリングで丈をコンパクトにすることで、全体のバランスも整えやすくなります。
あとは、片方だけドローストリングをよせてドレープっぽく着てもかわいいですよね。
それぞれのディテールのこだわりも教えてください
ドローストリング
脇の部分が上がる仕様になっていて、サイズ感や丈感の調整が可能なのも大きなポイントです。
今ウエスト高め位置で着ることが多いと思うので、ボトムの種類を問わず様々なシーンでスタイリングできるように仕上げました。
刺しゅう
僕個人、刺しゅうは素肌の上に身に着けた方が立体感が綺麗に出るなと思っていて、同時に肌を出すのに抵抗がある方にも袖に刺繍を施すことで体型カバーにも繋がるデザインに仕上げました。
あと、個人的にチュールを寄せた時に影の濃淡が出るのもお気に入りです。
デザインの裏話や試作エピソードはありますか?
今回の別注で一番こだわったのは、「ボリューム感」
ギャザーを施すときは膨らみを出しすぎると体型が崩れて見えがちなんです。
ただドローストリングのディテールでも生地の相性とギャザーのボリューム感の調整できちんとスマートに見えるようにしています。
ただ単に丈の調整の為だけじゃなく、サイズコントロールまで意識しましたね。

あとは、チュールなのに洗える素材というのも大きなポイント。
日常的に着たいというお客様の視点と、長く着て欲しいという想いから、デザインだけで無くデイリーケアにまで拘りました。
アウターなどでは無く肌により近いものだからこそですね
最後に
普段のMURRALでは手に取らないような方にも、長く着て頂けるアイテムが今回揃ったからこそ挑戦してもらえたら嬉しいですね。
コーディネート次第で、ちょっとしたお呼ばれにも、デイリーにも着られる。場面を選ばず、でもきちんとおしゃれを楽しみたい人にこそ届けたいです。
刺しゅうとチュールで描く繊細な世界観はそのままに、日常のワードローブにすっと馴染む新しい表現。 挑戦とMURRALらしさが共存する、新鮮なラインナップが、ここに完成しました
MURRAL
2013年よりデザイナー村松祐輔と関口愛弓のデザイナーデュオによりブランドが発足。 “平凡な日常に少々のドラマチックを”をブランドコンセプトに、日常に溢れる題材を落とし込んだアイテム作りが特徴的。 ブランド名の「MURRAL」の由来は「MURAL = 壁画」から来ており、壁を彩る壁画のように飾られた状態でも ヒトを魅了する。 そんな洋服を私たちは作っていきたい。 ヒトの日常の中にある壁を彩っていきたい。という思いから名付けたものとなる。