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PEOPLE 「AKIRANAKA」
CATEGORY : BRAND    UPDATE : 2019.02.20

身に纏った時のエレガントで洗練されたシルエットが評価の高い、AKIRANAKA(アキラナカ)の2019リゾートコレクション、およびSSコレクションが展開スタート。
それに伴い、同ブランドデザイナーのアキラナカ氏にスペシャルインタビューを実施。今シーズンのコレクションのキーワードやコンセプト、モノづくりに対する想いを聞かせて頂いた。

ドメスティックな視点からの“日本らしさ”がキーワード



2019SSコレクション(リゾートコレクション・本コレクション)を通してのテーマを教えてください。



「リゾート・本コレクション通して言えるのは、『日本の文化を見つめなおそう』ということ。日本国内にいると、日本人は日本古来の文化や様式を改めて見つめ直すという機会がほとんど無いと思って。

また、海外への本格展開にあたって、海外のバイヤーや取引先から、デザインの日本らしさを指摘される機会が増えたのも今回のテーマ設定に影響していますね。自分たち、日本人が自覚している、いわゆる“日本らしさ”と、世界からみた“日本らしい”という部分にも相違があるのかも、と感じて。その部分を両コレクションに反映させています。とりわけ重要視しているのは、日本古来の布の扱い方。例えば、“結ぶ”“包む”といった一枚の布の形状を変化させ、表現する方法について、などです」   


布の扱いに関して、どういった点が海外と異なると思いますか?

   

「まず、“包む”“結ぶ”という事そのものに対する美学が海外・・・とりわけ西洋ではあまり無い様に感じています。
“結ぶ”といっても西洋ではリボン。装飾的な要素が多い。“結び目(ノットディテール)”そのものがデザインの中心ではなくて、あくまでリボンのモチーフはデザインのうちのひとつの付加要素。日本では、結び目を使ってドレープを出したり、結び目それ自体をデザインの主役にしたり。包んでいるものを解くという、所作自体に美しさを見出す。そういった感覚の違いは感じています。」

  

今回のコレクションでは、ダルメシアン風のドット柄やストライプ柄も目立ちますが、プリントにもテーマが落とし込まれているのでしょうか。

  

はい。とりわけ、ドット柄のアイテムたちは海外でも驚かれました。このドットは手書きでつくられたオリジナル。手書きなので、もちろん一つ一つに歪みがあって、大きさもバラバラです。 まず、西洋でこういったドットを一から作るということが無い。ドット柄を作る円はシンメトリーに美を感じる西洋においては完全体。だから、それをあえて崩すという様なことはしません。 だから、もしかしたらこのドット柄は、繊細に一つひとつ手で書いていく作業といった、細部にこだわりや深みを感じたり、ドレープ感やアシンメトリーに美を感じたりする日本人だからこそ完成した柄なのかもしれません。」

 


ブランドの強みでもある“カッティング力”を存分に感じられるコレクションに

「リゾートコレクションに於いては、よりシェイプやカッティングにこだわったラインナップになっているので、それらがより分かりやすい、ストライプ柄も使用しています。
例を挙げると、今回STUDIOUSでも展開しているボリュームスカートは布の動きによって左右を切り替えるなど、手間のかかる作りになっています。

普通、洋服づくりで一番気にされるのって生産のしやすさだとか、無駄な工程をどう省いていくかだと思いますが、今回のコレクションではAKIRANAKAのカッティングの力を存分に味わって頂きたいので、
様々なパネルにカットして、ギャザーを入れて・・・とかなり工程を要する凝った作りのアイテムも出しています。

洋服づくりって、前後の平面で書かれたデザイン画をもとに作られることが多いですが、うちの洋服はモデルに実際着せて、歩かせながら、どこにボリュームを出したら一番美しく見えるのかだとか、プロセスの中でデザインを発展していくことが多い。

カッティングが良い服というのは、依頼したパターンそのままではなく、それを発展させて作らないと。
そうすることで、ただ正面から見て美しいという服ではなく、着る人の身体をより美しくそしてどの面からでも美しさを打ち出せる洋服が生まれると思います。


今回ローンチしているアイテムには、『どう着るか』が試されるアイテムも多くありますね。

「実はそれも、今回のテーマに紐づいていて。一通りの着こなしじゃなくて、工夫次第で何パターンものバリエーションが試されるアイテムを作りました。
日本人は、既にあるモノの応用の仕方がとても上手。ストリートスナップ一つ見ても、アイテムそのものをベーシックな着方で着ていない人がたくさんいる。

これも、日本が島国だからこそ生まれた一種の知恵なのかな、とも思っていて、昔から全く違う新しい文化って、外からもたらされるじゃないですか。
それを、自国の風土に合わせてアレンジしちゃうんですよね。食べ物でも、文化でも、宗教でも。しかもそれがとても上手。洋服も例外ではなくて、ミックスしたり、アイテムそのものの着方とは全く違う着方をしたりしてファッションを楽しんできた部分があると思うんです。

そういった、ちょっとしたスタイリング次第で遊びができるものを、今回のコレクションではクラシックでエレガントなデザインに落とし込んでいます」

"自分たちがつくりたいのは、自立した女性のための“着ている人を際立たせる服”

毎シーズンコレクションを発表する中で、重要視しているデザインポイントはありますか?

「コレクションをする度、課題と反省の繰り返しです。今はブランドのチームで動いていて、僕がクリエイティブディレクターとしてまとめる形態をとっていますが、
デザイナー達に伝えているのは『真新しさや派手さ、違和感が答えにならない様に』ということ。

パッと見て衝撃が走るものに自分たちのアテンションが流れていった時期はもちろんあるし、それも悪いことではないと思います。だけど、それは日本人の日常には馴染んでいない様な気がして。


日本文化に言い換えると、能とか歌舞伎の舞台における衣装や役者さんの佇まいって、そのものは非日常的だけど、あの舞台のなかでこそ、しっくり馴染んでいる。あるべき場所にあるべき姿で還元されているというか・・・

洋服もそうで、場に馴染んでいない、ただ奇をてらったものは何というか、未成熟な印象。でも、自分たちがクライアンツとしているのは“自立した、自分で美意識を持った女性たち”なんです。彼女たちに僕らの洋服を選んでもらうとしたら、こちらが着地点を決めずに、ただ派手で奇抜なものを放り投げるのは違うと感じて。派手さや、新しさ、違和感を美しさが飲み込んでいるものでなければダメだなと。

服が浮いているのと、着ている人を際立たせる服は全くの別モノ。経験するうちにそれを計算して、着ている人を際立たせるためにはバランスやカッティングが重要だと気づいたんです」


チームでのモノづくりで重要視していることを教えてください。

「前述と重なりますが、モノづくりはデザイナーがデザインを考案して、パタンナーや縫製をただお願いする、ということではありません。提案したデザインをパタンナーがどう表現するのかも重要になってきます。

デザイン画をそのままパターンに起こしてとは自分は言いません。パタンナーが作ったものを見て、実際にモデルに着せて歩かせて、デザイナーとパタンナー、双方の視点からデザインを詰めていきます。



僕以外のチームのメンバーは今のところ全員が女性なので、すごくリアルな目線ですね。『本当に女性が着たい服なのか』『どう修正をしたら着やすくなるのか』。これを徹底的に突き詰めます。 着用モデルにも、足のひっかかりはあるかだとか、ヒールを履いてみるとどうか、等の意見を求めます。その方法を自分は正しいと思っていて、アトリエの中の誰も欲しくない商品をリリースするのは違うなと。

やっぱり、リアルな魅力がある洋服をもって、女性たちに感動を提案するのが自分たちの理念でもあると思うんです。感動は実際に女性たちが着て、体験して初めて生まれるもの。 スペシャルな服であるのはもちろんですが、生活の中ではリアルであってほしい。飾られるよりも、女性が生活の中で着るから一番素敵だと思うんです」


今後のブランドとして、デザイナーとしての展望を教えてください。

「今、日本の企業と協業してモノづくりを進めていますが、それを世界規模で行っていきたい。

僕はテキスタイルが非常に好きなのですが、日本はもちろんのこと、海外のテキスタイルにも非常に個性的なものが多い。ジャガードだったり、最近だったらエコレザーだったり。 エコレザーなんかは、リアルレザーと遜色違わないものも出て来て、ここまで進化しているのかと思うことも多々あります。まだまだ世界には色々なテキスタイルがあるので、もっと取り組みを深めていきたいですね。

日本ではまだテキスタイルについての意識が浸透していないなと感じる部分もあって。

例えば、デザインや着こなしがとても素敵なのに、この生地を使っていることでチープに見えてしまう。テキスタイルが良ければもっと良く見えるのに!と思う事も。 洋服って、デザイン・カット・テキスタイル・仕立ての4つの要素すべてが重要。それぞれの分野において造詣を深めより良いモノづくりを追求していきたいです。そして日本の美意識を通して日本だけではなく世界中の女性をより美しくして行けたらと望んでいます。」

OFFICIAL INSTAGRAM :  @akiranaka.official

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