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PEOPLE SYU.HOMME/FEMM
CATEGORY : BRAND    UPDATE : 2019.01.20


普段はあまり聞くことのできない、デザイナーのブランドへの思い、モノづくりへの姿勢、 今後の展望といったブランドの裏側をインタビューした。 第一弾を飾るのは、「優秀(SYU.)な人達が織りなす 優秀(SYU.)な洋服」をテーマに、デザイナー・小野秀人が手がけるブランド SYU.HOMME/FEMM(シューオム/フェム)。 今シーズンからはジュエリーのデザインもコレクション内に取り入れ、新たな動きを見せる、同ブランドの今後の展望とは。 また、デザイナー自身の内に秘めた想いを語ってもらった。


 

ヒトとのつながりが生む“良いもの”

ブランドの根底となる「優秀(SYU.)な人達が織りなす 優秀(SYU.)な洋服」という言葉。 そのテーマの通り、SYU.HOMME/FEMM(以下SYU)のモノづくりには生地や素材選び、カラーのチョイス、どれをとっても他にはない、こだわりを感じる。

「モノ作りはその道の人に舵をとってもらうのが重要。本当にいいものを作るには、ブランドがプロダクトを作るというだけでは限界がある。 アイテム毎にそれに特化した職人に依頼をし、ブランドやデザイナーである自分がブランディングし、ブラッシュアップをする様にしている。」

今シーズン初の発表となるジュエリーコレクションにも、そのこだわりはもちろん反映されている。 ジュエリー制作に至るには、山梨県の職人との出会いが重要だったと言う。

「今回ジュエリーの制作をお願いしたのは山梨県の職人さん。 職人さんとの出会いも面白くて、山梨のジュエリーミュージアムという場所に、山梨の地場産業の一環として、職人と結び付けられる様に工房の連絡先を公開しているコーナーがあるんです。 約200件近くある中から気になる1 0件ほどピックアップをして、とりあえず順番に電話をかけてみようと思って。偶然1件目にかけた方が山梨の貴金属の商店の方でそこで職人さんを紹介して頂きました。」

職人を紹介したメーカーも今回の様なケースはほとんどなく、 急なアポイントに驚いていたという。

「 “君達、面白いね。” と笑われましたが、僕らの熱意は買ってくださったみたいで。

“君達に合う職人は一人しかいないから一度連絡してみるね” “一度足を運んで話をしてみるといいよ”

その場でその職人さんに連絡をしてくださり、職人さんがいる場所に足を運びそのままプレゼンをその場でさせて頂いて、プレゼン後、職人さんが ”ぜひ面白いものを一緒に作りましょう” と話は纏まり。 それから撮影まで時間が全くない中、打ち合わせに打ち合わせを重ねて2ヶ月でジュエリーの完成に漕ぎ着けました。」


「最近は、利益重視のところも多いから、コストを下げるために低品質のシルバーを使っているところも多い。 僕が扱いたいのは「アクセサリー」ではなく「ジュエリー」であって高貴な貴金属であるから惜しみなくちゃんとした材料で作りたい。と考えています。 皆、モノづくりに携わる人は実はそういった出会いを求めているのかもしれません」

原料には“惜しみなく、良いものを”というのが彼らのポリシーだ。 今回のジュエリーコレクションで使用したものも、海外産の原料を使用し、高級メゾンの商品に並ぶレベルのハイグレード素材。 それだけの高級素材を使用しているというと、一般には手に入らない様な価格になるのかと思うが、小野氏はあくまでも「良いものでも、買ってもらえないと意味がない」という考えを崩さない。

「良い素材を使っても、あまりに高い価格に設定をすると、やっぱり多くの人の手に渡り難い。 なので、ハイグレードのジュエリーでもミドルレンジくらいの価格帯を設定しています。展示会では友人が自分へのご褒美、“一生モノにするね”と、購入を決めてくれた人もいる。 そう考えると、惜しまずいい物を作って良かったな、と思うんです」


 

空間演出もブランドとしての表現のひとつ

小野氏のモノ作りへのこだわりは商品のみに止まらない。 SYUの展示会を覗くと、そこにはまるで美術館やアートギャラリーの様な空間が広がる。 特徴的な什器が並び、それぞれのアイテムに、インスピレーション源やデザイナーの思いが書かれた“エピソード”が記載されている。 来場した人々は服の前で足を止め、黙って立ちつくし、まず説明を読む。普通のアパレルの展示会では見られない、異様な光景だ。 展示会で使用する什器や空間演出までこだわり、初めてSYUというブランドが完成すると同氏は考える。

「 日本の展示会のあり方は ”ウェアが並び、ルックを並べて、はい買ってくださいみたいな” その従来の方法でブランドを表現するのは勿体無い気がして。

洋服だけでなくだけでなくそこには人が居て、アートがあって、音楽があって、そんな色々なものを表現することに興味があるんです。 海外のデザイナーもそうですが、元々建築家で、建築の領域で出来ないことをファッションで表現するためにわざわざブランドを立ち上げたデザイナーが居たりと。 同様に、僕自身、今回19ssで初の試みですが、ファッションの領域では表現できない部分を、この展示会で空間、そして洋服、音楽、アートで表現したいと思いました」


「今回ジュエリーを制作するにあたり、さらに良く魅せるために何か演出できないかと思い空間、建築、アートその関連のワードで何か出来ないかと考えた際に友人の建築家に相談をしました。 「ジュエリーを魅せる為にアートとして什器を制作してくれませんか?」 イメージは水中に浮かんでいるような、または氷の中に凍っているような、そして見ている人達に緊張感を与えたい。 この3つのキーワードで依頼した。

なぜこの経緯に至ったのかというと依頼した方は、SYUのアイテムを身に着けてくれている方でした。そしていつか何か一緒に出来たら良いですねと話していた。 ブランドのことを理解してくれている方だからこそクロスオーバーしたら面白いんじゃないかと思い、依頼をしました。

そんなジュエリー専用の什器はアクリルで出来ていて、光の入り方によって、見る角度によって見え方が変わるという正にアート。そのアート作品と什器の融合。 なんて贅沢なことだろう。やる必要のない事をやる、無駄なお金をお客様の為に使い目一杯酔いしれてもらう。

そして『ブランドをやっている理由は“想いを伝えたい”から』 目先のお金を得る為ではなく、 あくまでも多くの人に、SYUの提案する洋服やジュエリー・そして想いを伝えたい、その為の仕組みとしてこの展示会の構成にしている」と語る。

半年毎にテーマをガラっと変え、ヒットアイテムでも定番化はさせず、あくまでアップデートを重ねていく。「売れたものでも、一定期間続けたら廃盤にする。 そして、代わりに新しいアイテムをローンチしていく。それがファッション本質的な楽しさ、自分への挑戦。情報の消費・拡散が早い現代だからこそ、 そういう、どんどん時代に合わせて変化していくブランドが求められるのではないか」 ただ流されるのでなく、時代に合わせて自身で流れを作っていく。 良い意味で過去に執着をせず、現在とこれからを見続ける姿勢を持つブランドは、日本のブランドの中でも珍しいかもしれない。

“今”の空気を纏った同ブランドは今後、どのような展望を抱くのか。 後編では小野氏の日本のファッションへの思いや今後のブランドが思い描くビジョンを探る。

SYU.HOMME/FEMM OFFICIAL INSTAGRAM:@SYU

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