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PEOPLE 「BEDWIN」
CATEGORY : BRAND    UPDATE : 2018.02.20


世界中の遊牧民の様に旅をし、触れてきた様々なカルチャーやスタイルをベースに オリジナリティのあるコレクションを毎シーズン発表する、 <BEDWIN&THE HEARTBREAKERS>のデザイナー・渡辺真史氏。 独特の感性を作り上げた、インスピレーション源や、今後のブランドの展望を伺った。


“最初は小物4型から。気がつけば関わる人が増えて現在に。”

ブランド立ち上げまでの経緯を教えてください。

「大学を卒業してから渡英し、2年ほどロンドンに在住していました。その頃、現地の仲間と一緒にブランドを立ち上げたことが 現在に繋がっています。 その後日本に帰国し、BEDWINを立ち上げました。最初は小物4型からのスタートでした。」

なぜファッションデザイナーに?

「もともと、ファッション業界に携わりたいと考えていたわけではなくて、大学でも舞台芸術を専攻。映画を作りたいと思ってい たんです。 でも、10代から「POPEYE」や「 MEN`S NON-NO」でモデルをやっていたということもあって、ファッションや洋服自 体は好きだった。 そういった経歴から、ファッション業界に知人も多かったんです。<Goro`s世代>ということもあってビーズを つかってアクセサリーを自分で作ったり、カスタムするのも元々好きで。 ロンドンでブランドを立ち上げるときも、最初はそこで 出会った先輩たちと一緒に、Tシャツを作ってみよう、みたいなノリから始まって。どんどん関わる人が増えて、今に至ります。」


“インスピレーションは常に“今の気分”と“90年代”

海外にはよく行かれている様ですが。ロンドンの他にはどの様な場所へ?

「ロンドンの他にもニューヨークやインド・・・色々行きました。その土地の人がどんな着こなしをするのか、ストリート カルチャーや、その街で起こっていることを見るのが好きなんです。 時には山奥で、修行僧が作っているバッグをわざ わざ買いに行くことも。洋服は好きなので、宝物探しをする感覚ですね。当時はECも無かったですし。」

ブランドのインスピレーション源も旅をする中で見た事が多いのでしょうか。

「ブランドのインスピレーションは、毎シーズン“今の気分”がテーマになっています。ポイントは、“今”と“90年代”が必 ずリンクをするということ。」

なぜ、“90年代”?

「自分が旅をしていたときが丁度その頃で。多感な時期でもあったんだと思います。20代だったので、ある程度お金は あったし、物事への理解もできた。 世の中でも、ヒップホップやクラブカルチャーが出始めて変化が起こりつつあった。アメリカやロンドンから、色々な情 報がドッと日本にやってきたのが90年代。色々なものが混ざり合ったカオスな時代で、当時は結構斬新だった。自分も ファッションカルチャーに“はじまり”を感じていました。 今、90年代がリバイブされていて、若い子達が当時と同じ格好をしている。 だけど、やっぱり当時とは違って、今の子達 なりのフィルターを通している。それもまた面白いところですね。」

90年代当時、一番影響を受けたものや場所は何ですか。

「逆にそれが無くて。無い、というか、各地を転々とした事、それ自体に影響を受けていた、みたいな。 何かひとつの点で はなくて、その軌跡というか・・・年齢や性別問わず様々な人とのネットワークを築いて、そのときに得たものが今も色 濃く残っていますね。」


“僕らはテーマを着るわけではない。

18SSコレクションのテーマも“90年代”とリンクしているのでしょうか?イメージソースを教えてください。

「18SSコレクションのインスピレーション源は、スパイク・ジョーンズ監督が作ったムービー「Video Days」。 その中の サウンドトラックにインスパイアされて、今回のコレクションが出来上がった。当時、スケートビデオはスケーターたちの トリックを撮るのがメインだった。 だけど、「Video Days」はストーリーがあって、スケートをしない人も楽しめるもので。 その中に、著名なスケーター・Mark Gonzalesなんかも登場していたということも面白いけれど、 サウンドトラックも ジャズやクラシック、ロックが一緒になっていて、そのミックス感がまさに今の気分にぴったりだった。 そのイメージを下敷きに、今の気分でモノづくりをするという感じ。 僕らはテーマを着るわけじゃないし、大切なのはあ くまでも“今の気分”。」

現在は東京で活動をしていますが、東京でクリエイションを発信する理由や、東京の面白いと感じる部分を教えてください。

「自分の中では、別に東京で活動する理由はなくて。でも、東京には良いモノ、悪いモノ、色々なモノが溢れている。 そこが 好きで、今自分は東京にいるんです。良いモノだけがあるところには興味が沸かなくて。悪いモノがあるからこそ良いモノ が引き立つし、悪いモノが魅力的に見える。 そんな東京の雑多なところが好きで、そこに影響を受けてモノ作りをしてい ます。

あと、やっぱり街にいる人達が面白い。自分が好きなストリートカルチャーに関しては、東京は世界一なんじゃないかな。 一人ひとり、自分が「こうありたい」という意識がファッションに表れているなと。」


“最終的に洋服が行き着く先でも「格好良い」と思ってもらいたい”

東京で活動を始めて、ブランド名を一度変更していますね。 何かきっかけがあったのでしょうか。

「最初、<BEDWIN>は1人でやっていた。そこから、関わる人が多くなってきて、<BEDWIN&THE HEARTBREAKERS>に改名しました。 好きなアーティストの<Tom Petty and the Heartbreakers>と掛け合わせて、バンドをイメージして、ボーカルと、その仲間達みたいな。 ミュージシャンに憧れていた自分にとって、毎シーズンのコレクションは音楽アルバムの様なイメー ジなんです。 服の一つひとつが楽曲で、ボタンなどのディテールはトーン。そういうブランドってあまり見ないな、って。

<BEDWIN>という名前自体は、砂漠地帯で遊牧生活を送る民族・ベドウィン族から。 遊牧民がどんな服装をしているのかが気になって、モロッコの砂漠に行ったことがあって、そこで会ったのがベドウィン族。 彼らが着ていたのは、民族衣装ではなく、どこかから寄付された古着だった。その記憶が鮮烈に残っていて、その後ブラン ドを立ち上げて、名前を考えるときに彼らを思い出して。自分の作る洋服が、最終的にベドウィン族の様などこかの民族 に古着として寄付されることになったとしても、そこで着る人たちにも「格好良い」と思ってもらいたいな、と。そういうモノ 作りがしたいと思ったんです。」

今後の展望を教えてください。

「今回、ZOZOTOWNでの展開を決めたのもオンラインへの意識から。自分でもオンラインショップはよく利用しています が、本当に便利。昔はレコード盤を買って、A面・B面を通して聴いて、好きな曲を見つけていたけど、今はiTunesなどの シャッフル機能でより多くの曲に触れられて、そこから好きな曲が簡単に見つかる。そういう風に、オンラインをきっかけに、 <BEDWIN>を知る人が増えてくれればなと。 同時に元々ブランドを知っている人にはより深く理解してもらう。 色々な 仕掛けをして、お客様を飽きさせないブランドにしていければと思っています。

INFORMATION
BEDWINホームページ@zozo

BEDWIN&THE HEARTBREAKERS OFFICIAL INSTAGRAM:@BEDWIN&THE HEARTBREAKERS

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