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PEOPLE 「Lautashi」
CATEGORY : BRAND    UPDATE : 2019.05.02




13歳でモデル活動をスタートして以来、ファッションアイコンとして第一線に立ち続ける鈴木えみ氏が2017年に立ち上げたブランド・Lautashi(ラウタシー)。 身にまとうことによって自分の気持ちを引き出すという、洋服の持つ力を体験してきたモデル経験を活かし、Lautashi が“日常着”であり続けたいと語る同氏のモノ作りへの想いを聞いた。


Lautashiをスタートしたきっかけはなんですか?

「私自身が28歳で結婚、出産を経験したことが大きなきっかけです。改めて仕事のあり方や子供に与えるものを見つめたときに、約20年間やらせてもらっているモデルという経験を生かして、もうひとつ自分の軸になるものを作りたい、社会に何かを提案したいという気持ちが芽生えたんです。これまでモデルの仕事を通してたくさんの洋服を着る中で、身にまとう度にどれだけ自分の気持ちが変化するかという、洋服のもたらす力を実感してきました。その体験を生かして自分が作り手となることで、より多くの人々の背中を押し、毎日がより素敵なものになってくれたらと思い、ラウタシーを立ち上げました。」


『ラウタシー』という名前の由来は?

「せっかく日本発のブランドなので、和の要素を求めて探しているうちに『枕草子』に出てくる“らうたし”という古語があり、そこから取りました。意味は『かわいい』とか『愛おしい』とか。先入観がない言葉がいいなと思っていたのでぴったりだと感じ、この言葉を選びました。




19SSコレクションテーマについて

「4シーズン目でしたが、今まですべて特に大きなテーマは設けて来ていなくて。というのも、テーマに惹かれる人もいるかもしれないけれど、結局のところテーマに左右されて買うことってあまりない気がするし、それで先入観を持たせてしまうのであればないほうが良いと個人的には思っています。あとは単純に、自分が好きなものは変わらないので、毎シーズンそんなにテーマを変えられないという気持ちが素直にありますね。 今回のアイテムは地層と星座が二つの柱としてあるのですが、地層は、私自身が昔から石が好きで、自然が作り出す模様や色に美しさを感じるところからインスピレーションを得ています。星座は、この人にこれを書いてもらったら素敵になりそうとか、出逢いやタイミングが重なって最終的に『天と地』というソースにたどり着きました。」


プレゼンテーションに、ランウェイではなくインスタレーションを選んだ理由は?

「メディアアーティストの落合陽一さんとタッグを組ませて頂いたのですが、決まった光で決まった演出でモデルが歩いてそれを関係者が待ち受ける…という一般的なランウェイに私も落合さんも違和感を覚えていました。実際に手に取るのは一般のお客様なので、なぜそこに向けて発信しないんだろうという気持ちが強くあって。ブランド初のプレゼンテーションとしてAT TOKYOの参加が決まったとき、まず一般公開は絶対にしたいというお話をさせて頂きました。ブランドとしてのメインの目的は、より多くの一般の方々に洋服を見に来て頂くことにあると思っているので。終わった後にお客様とモデルが入り混じった写真を見て、この距離感は良いなと改めて感じました。」




もともと落合さんとは交友関係があったのですか?

「担当の美容師さんが一緒なんですよ(笑)その繋がりでご飯を食べに行って、いつかご一緒できたらという話はしていて。タイミングよくAT TOKYOから声を掛けて頂いたので、すぐにオファーさせて頂きました。彼とそれまで話をしていた中で、私も彼も日常の中の光が好きで、光の話をすることが多かったんですね。インスタレーションにした狙いが一般の方々に洋服を見て頂くことなので、日常の光や音の中で服の存在を表現した『光のタイムマシン』を作って欲しいとお願いしました。」


『光のタイムマシン』による演出とは?

「洋服を着て日々を過ごすということは、いろいろな光を浴びますよね。朝日だったり、正午の真上から当たる光だったり、夜のネオンが当たった光とか…。そこに歩いたり座ったりといった動作が加わって、さらに見え方は変わる。だけど完璧なセッティングが敷かれたファッションショーって、雑誌で見る洋服と同じで固定的な見え方になってしまうと思うんです。実際に洋服に人の体が入ったらずいぶん見え方が変わってくるので、そんな日常着としてのファッションを光で見せたいという話をしていました。日常に溢れる色々な光を会場内に再現して、リアルな美しさを体験してもらえたらという想いでの演出でした。」




世の中に洋服が溢れる中、ラウタシーのアイテムは細部までこだわったものが多いと感じるのですが、気に掛けている部分はありますか?

「自己資金でやっているということもあって、既にあるものを作っても仕方がないと思っています。数え切れないブランド数があるので、あるものは他で買えばいいじゃない?と思いますし、私自身もそうすると思います。自分が作った洋服を愛することができないと人におすすめもできないし、接客をしていても嘘をつくことになって後から自分の首を絞めることになるので、そこはなるべくクリアにしたいです。自分がトキメキを感じる生地だったりディテールだったり、そういうものを製品にして、100%全力でおすすめできるものを作りたいと思っています。」


そのようなこだわりを持った服作りを鈴木さんがされているというところに、さらに魅力を感じる方もいらっしゃると思います。

「魅力を感じて頂けるのは嬉しいです。『鈴木えみ』に関しては求められていないと言えば求められてないので。もっと簡単で安いもののほうが数は売れるかもしれないけれど、それをやりたくてわざわざ立ち上げたわけではありません。そこは最初に覚悟していた部分でもあり、今後の私自身にとっての大きなチャレンジだと思っています。」




モデルもされてご家庭もあってという忙しい日々の中で、洋服を作り続けていきたいという意志はどこから来るのでしょうか?

「本当に欲張りなので、家事もしたい、ペットとも触れ合いたい、子供とも出掛けたい、友達にも会いたい、お酒も飲みたい…といった具合で、時間が足りなくて困っています(笑) 元々、自分が良いと思うものを人におすすめするのが大好きなんですよ。フェチなんですよ、もう(笑)みんながHAPPYになってほしいと思っているので、自分が良いと思ったものは言わずにはいられないというか。接客を実際にさせて頂くと、「私骨盤が広いからこういうぴたっとしたスカートが履けないんです」というような、自分の可能性を否定する言葉を受け取る機会が多くあります。「絶対に良いと思うからとりあえず着てみてください。」と言って着てもらうと、表情がパッと変わって『いいかもしれない』と言って頂けることもあって、その瞬間がたまらない気分にさせてくれますね。今後も近い距離感で接客する機会を持ち続けていきたいと思いますし、お客様の可能性を広げるという言い方をしたら上から目線かもしれないですが、余計な先入観は私にできることなら取っ払ってあげたいなと思います。」


今後のデザイナーとしての展望を教えてください。

「まず、当然ながらシーズンを重ねる度にいろいろな課題が見えてくるので、そこをひとつひとつクリアしていってよりブランドのファンを増やしていきたいです。それを私自身もすごく楽しみにしています。二つ目は、洋服を作る過程をお客様に実際にご覧頂けるようなコミュニケーションの取り方を視野に入れて考えています。これは前からずっと考えていて、たとえば地方に行って生地を染めたりするのですが、そういう体験を、お客様が見られたらもっと良い思い出になるのではと思っています。」




最後に、ラウタシーの目指すブランド軸を教えてください。

「極端な話、洋服って別に着られればなんでもいいじゃないですか。破れていても着られればいいという方もいますし。でも、なんでもいいと言いながら、着る服を『選ぶ』という作業は全員がしているわけで、その選んだ服を身に着けることによって、誰もが気持ちの変化を感じると思うんですよ。背筋がピンとしたり、はたまた癒されたり…。なので、ラウタシーは、見ているだけの芸術品ではなく、洋服のパワーを借りて実際に気分を変えてもらえる実用品であってほしいなと思っています。それを実際に経験してきた自分が作るからには、そこに想いは込めたいなと。実用品だけど、心を動かすちょっとのスパイスやロマンが服に込められていないといけないと思うので、そこを軸に服作りをしています。安いわけではないので、お金を払って買って頂いたのにただ眺めているだけで、実際着ていく場所がないかも、出番ないかも、となってしまうのはもったいないですし、申し訳ない気持ちになってしまうから。
...『ロマンがある実用品』!!太文字です、ここ(笑)ちょっと恥ずかしいけれど(笑)」




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